ヨソクヒロバ運営事務局です!
せっかくなので、6月に結果が確定した全122問の予測データを全部集計してみました。
すると、集合知の予測が驚くほど当たった問題と、みんなが多く外した問題が、はっきりと分かれていました。今回はその「まとめレポート」です。
6月のヨソクヒロバ、数字で見るとこうなった
- 結果が確定した問題:122問(W杯の予選リーグ関連が約100問!)
- 全体の的中率:51.7%
全体の的中率は半分程度と思うかもしれませんが、6月の問題はサッカーの勝敗(勝ち・負け・引き分けの3択)や競馬の勝ち馬当てなど、複数選択肢の問題が中心。コインを投げたら2分の1で当たる、という世界ではありません。その中での52%は、集合知がちゃんと「考えて」予測している証拠だと言えると思います。
最多BETは「日本 vs スウェーデン戦」。そして82.6%が外した
2026年6月、ヨソクヒロバで一番予測を集めた問題はW杯グループF最終節「日本 vs スウェーデン戦」。ヨソクヒロバの中でも大差をつけた、ダントツの注目度でした。
結果はご存知のとおり1-1のドロー。日本は勝ち点5でグループ2位通過を決めた試合です。
そしてこの問題、的中率はわずか17.4%でした。つまり8割以上の人が「どちらかが勝つ」方に張っていたわけです。初戦のオランダ戦(2-2)も的中率22.1%。日本戦は注目度が高い分、冷静な分析より「勝ってほしい」という日本人の願望が混ざりやすいことを示しています。

ヨソクヒロバ内の予測ポイント投票割合(※的中率とは別です)
一方で、同じ日本戦でも「チュニジア vs 日本」は的中率80.3%。あの4-0の快勝を、集合知はほぼ予想していました。「チュニジア戦の日本のポゼッション率は50%以上?」に至っては的中率88.9%。日本が「勝てる試合」はみんな正確に見抜けるのに、「勝てると言い難い試合」になると願望が入る。予測データから見える、日本のサッカーファンの姿です。
「引き分け」は予測市場の死角だった
日本戦2試合の的中率が低かった話をしましたが、実はこれ、日本戦に限りません。6月のW杯でドローに終わった注目カードの的中率を並べてみると
- ポルトガル vs コンゴ(1-1):10.2%
- 日本 vs スウェーデン(1-1):17.4%
- オランダ vs 日本(2-2):22.1%
- コロンビア vs ポルトガル(ドロー):28.3%
軒並み的中率が低いです。人間は予測をするとき、無意識に「決着がつく」前提で考えてしまう。勝敗2択に気持ちが吸い寄せられて、3つ目の選択肢「引き分け」は頭から消えやすい。行動経済学でいう選択肢の見落としが、これだけ大規模なデータできれいに観測できるのは、感慨深いです。
7月の決勝トーナメントは90分で決着がつかなければ延長・PKです。「引き分け」の死角がなくなったとき集合知の的中率がどう変わるか、を今後も注目していきたいと思います。
グループKの悲劇:ポルトガル神話の崩壊
W杯では「グループ1位はどこ?」という問題を12グループ全部で出していました。この12問の平均的中率は75.3%。グループE(ドイツ)92.2%、グループJ(アルゼンチン) 90.5%など、集合知はグループ内の力関係をかなり正確に予測していました。
ただ1つ、大惨事だったグループがあります。
「グループKの1位は?」の的中率、25.3%。
グループKはポルトガル、コロンビア、コンゴ、ウズベキスタンの組。世間の下馬評は当然ポルトガルでした。ところが蓋を開ければ、初戦でコンゴがW杯史上初の勝ち点をポルトガルから奪う1-1ドロー(この試合の的中率10.2%、6月ワースト3位)。最終的にコロンビアがポルトガルとの直接対決を制する形で首位通過し、ポルトガルはまさかの2位。
それでも、予測者の4人に1人はコロンビアの首位通過を当てています。世間の常識が「ポルトガル1強」だった中で——ここは集合知の中の「目利き」が世間に勝った瞬間と言っていいと思います。

ヨソクヒロバ内の予測ポイント投票割合(※的中率とは別です)
大穴を当てた人は「予測がうまい人」なのか?
ここから、個人的に6月いちばん面白かった分析です。
エクアドルがドイツを2-1で破った6月最大の番狂わせ(的中率4.6%)。これを当てた予測者たちは、さぞかし予測するのが上手なのだろう——と思って、この人たちの「他の予測」の成績を調べてみました。
結果:エクアドル戦を当てた人たちの、他の問題の的中率は41.9%。外した多数派(53.6%)より12ポイント近く低い。
日本 vs スウェーデンのドローを当てた人たちも同じで、他の問題の的中率は48.8%と、外した多数派(53.2%)を下回りました。そして6月の2大サプライズ(エクアドル戦と日スウェ戦)を両方当てた人は、全ユーザーの中でわずか5人。
つまり、大穴を当てた人の多くは「未来が見えていた」のではなく、普段から人と逆に張るクセがあって、たまたま当たった可能性が高い。逆張りは目立つけれど、トータルでは負ける。予測市場の教科書に書いてあるようなことが、ヨソクヒロバの実データでそのまま再現されました。
ちなみに20問以上予測したユーザーの中の最高成績は31問中24問的中の77%。派手な大穴ではなく、手堅い積み重ねで勝つタイプでした。
世界最大の予測市場Polymarketと、答え合わせをしてみた
ここで気になるのが、「世界の予想」との比較です。Polymarketは世界中のトレーダーが実際にお金を賭けて確率を売買する、世界最大の予測市場。同じ試合に付いていた"世界の値付け"と、ヨソクヒロバの集合知を比較してみました。
日本 vs スウェーデン。 Polymarketの試合前価格は、日本勝利38.9%・引き分け28.6%・スウェーデン勝利31.1%。世界の予測市場は引き分けに3割近い確率を付けていました。一方、ヨソクヒロバでドローに張ったのは17.4%。世界より日本の集合知の方が「引き分け」を軽視していたことになります。日本の試合を、いちばん冷静に見ていなかったのは日本人でした。

Polymarketの日本VSスウェーデン戦の試合開始時点の割合
エクアドル vs ドイツ。 ここが今月いちばん痛い差でした。Polymarketはドイツ57.5%・引き分け24.5%・エクアドル19.5%。つまり世界のトレーダーは「ドイツが勝てない確率は4割以上ある」と値付けしていたんです。すでに首位通過を決めたドイツが主力を温存しかねない、という文脈まで織り込んだ数字です。対するヨソクヒロバでエクアドルに張ったのは、わずか4.6%。世界の値付けの4分の1でした。「ドイツは強い」という直感と、「この試合のドイツはどうか」という分析の差が、6月最大の番狂わせでそのまま明暗を分けました。
グループKの1位。 Polymarketの事前価格はポルトガル63.5%・コロンビア30.5%。ヨソクヒロバでコロンビアに張ったのは25.3%と、こちらは世界の予測市場の水準にかなり肉薄していました。
まとめると、ヨソクヒロバの集合知は「力関係の読み」では世界の予測市場に肉薄する一方、消化試合のモチベーションのような"文脈"の織り込みと、「引き分け」の値付けではまだ差がある。予測市場は集合知が増えて情報が持ち寄られるほど賢くなるので、この差は今後の伸びしろだと思っています。
金融の問題だけ、みんなコイントスになる
6月は日経平均・ビットコイン・ドル円・ゴールド・個別株など、金融系の問題が10問ありました。この10問の的中率は——
51.6%。ほぼコイントスです。
サッカーのグループ1位当て(75.3%)はあんなに読めていた集合知が、相場の上下という「2択」になると途端に当てられなくなる。これは実は集合知が軽率になったのではなく、金融市場がすでに効率的だからです。「上がりそう」という情報はとっくに価格に織り込まれていて、そこから先の上下は本質的に五分五分。集合知が束になっても勝てないというのは、「市場に勝てるという人を疑え」という投資の格言のデータによる裏付けでもあります。
「何位?」系の問題は地獄
ジャンル別に見ると、もうひとつ壊滅していたのが「ランキングの順位を当てる」系の問題です。
- 俺だけレベルアップな件は月間マンガランキング何位?:8.1%
- 魔女の宅急便 再上映の興行成績ランキング何位?:23.2%
- 村上宗隆のHRランキング何位?:25.0%
- 大谷翔平の打率ランキング何位?:29.8%
競馬(宝塚記念ほか3問の平均的中率30.1%)と並ぶ最難関ジャンルでした。宝塚記念は2番人気メイショウタバルがまさかの連覇で的中9.5%。順位や着順のような「選択肢が多く、変動要因も多い」問題は、集合知の知恵をもってしても歯が立たない。逆に言えば、ここを安定して当てられる人がいたら本物です。
逆に「読めていた」問題たち
- ヨルダン vs アルゼンチン:的中率90.5%(屈指の人気問題でこの精度)
- ドイツ vs キュラソー:94.0%(6月の全問題中1位。ただしその1週間後、集合知はエクアドル戦で同じドイツに裏切られる)
- 矢吹健太朗先生の描き下ろしキャラ人気投票:92.0%
- サンリオキャラクター大賞:58.9%(結果はポムポムプリンが2年連続5度目の1位。中間発表という「情報」がある問題は、ちゃんと調べた人が勝つ好例)
おまけ:6月の数字で見る小ネタ集
- 5問以上予測して全問正解を守り抜いた人:12人
- 参加1〜4問のライト層の的中率は45.9%、5問以上予測する常連は約52%。打席に立つ人ほど当たる
- 6月の"逆神":53問中6問的中(11.3%)の方がいました。この人の逆に張っていれば的中率88.7%だった計算に。ある意味いちばん価値ある予測者かもしれない
- ブレイキングダウン20の5試合の平均的中率は62.4%。ちゃんと格闘技を見ている人が集まっている様子
7月に向けて
W杯は決勝トーナメントで佳境。日本はブラジルに1-2で敗れてベスト32で散りましたが(「ワールドカップの日本の成績は?」の的中率は30.9%。ここでも願望と現実の間で…)、ヨソクヒロバの予測はまだまだ続きます。
引き分けが消える決勝トーナメントで的中率は上がるのか。Polymarketとの差は縮まるのか。金融の問題は今月もコイントスなのか。逆神は健在か。来月も全データを集計して答え合わせをします。あなたのひとつの予測が、集合知の知恵の精度を上げます。